ラグリグラ書房について
ラグリグラ書房 店主 村松幹男
私は1980年代、「劇団デパートメントシアター・アレフ(百貨劇場)」の旗揚げから無期休演まで役者として参加し、1992年に「Theater・ラグ・203」という劇団を立ち上げました。
芝居というのは不思議な表現です。幕が上がったその瞬間がすべてで、同じ舞台は二度とできません。多くの戯曲は本になることもなく、上演が終わればそのまま消えていきます。札幌という土地では、なおさらそうだったように思います。
だから、戯曲だけでもかたちにして残しておきたいと思いました。これが、この出版活動を始めた理由のひとつです。
SF作家セオドア・スタージョンはかつて「SFの9割はクズだ。しかし、あらゆるものの9割はクズであり、大事なのは残りの1割だ」と言いました。たしかにそうです。もしそうであるならば、ある意味、出版される機会がないまま消えて行こうとする作品の中にも、例え1割ぐらいであっても(もっと少ないかもしれませんが)、誰かの心にふっと届く作品があるはずです。
自分が参加していた劇団の作品はもとより、商業ベースには乗りにくいけれど残しておきたい戯曲や小説、写真集、記録集などを、ひとつのアーカイブとして本にしていきたいと考えています。
ラグリグラ書房という名前は、1992年10月から2024年6月まで約33年間、Theater・ラグ・203の事務所兼稽古場兼劇場(50名も入れば満杯でした)であったラグリグラ劇場に因んで命名しました。
